現在、日本での死因の第一位は癌(がん)といわれている。もう少し正確に言えば、死因の約3割が癌によるものだそうだ。
癌はそれほどにポピュラーな病気といえるわけだ。そして、治療法も色々考え出されてきたが、どれも決定的なものではない。未だに、摘出手術と、放射線療法と、抗がん剤による治療法が幅を効かしている。手術が綺麗に成功したとしても、数年後に癌が他の部位に転移するということもある。また、抗がん剤や放射線治療はがん細胞だけで無く正常細胞にも深刻な影響を与えてしまい、癌が消滅する前に患者のほうが参ってしまうこともある。はっきり言えることは、早期に見つけることだ。そうすれば完治する可能性が高い。だが、不幸にも見つかったときは癌が進行し余命何ヶ月と宣告されることも多い。
私もその例に漏れず、いつの間にか癌が私の体を蝕んでいた。しかも見つかったときには14Cmもの巨大な癌に成長していた。
癌が発見されるまでの私は健康そのものだと思っていた。一日に縄跳びを3000回やり、腕立て伏せを70回以上、それに腹筋なども鍛えていた。50代の人間にしては若々しいとさえ思っていた。
そんな私に癌が宣告されたのだ。青天の霹靂、そんな使い古された言葉では私の気持ちを正確に言うことは出来ないが、他に適当な言葉が見つからないのが残念だ。
癌が発見されたのは2008年の9月下旬だ。そして、そんなに大きな癌であるにもかかわらず手術もしていない。癌はそのまま私の体の中に存在している。しかし私はまだ生きている(2009年7月現在)。
そこで私は癌の闘病記を書くことにした。腎臓癌は転移しやすいとも言われている。いつもそのことが私の脳裏をよぎる。大丈夫なのだろうかと!毎日が緊張の連続だ。朝、目覚めたとき、私は今日も生きていると思う。そして、体に痛いところが無いか、昨日と変わったところがないかと腎臓の辺りを見たり触れてみたりする。トイレでも、血尿が出ないかどうかをいつも心配している。そんな毎日を送っているのだ。
いつの日か、癌も風邪でも引いた程度に、すぐに直せる病気になってくれると良いのだが。
実は私は、「這い上がる」という小説を書いた。私の人生ではじめて書いたその本の出版を数ヵ月後にひかえていた時に、癌が発見されたのだ。その当時、本が出版されるということで、私の気持ちは喜びに満ちていた。その喜びの絶頂から一転して死ぬかもしれないという恐怖の暗闇が私を捉えたのだ。運命の悪戯か、今更人生をのろっても仕方が無いが、全てを甘受していこうと思っている。しかし、そう簡単に死ぬわけには行かない。私は再び這い上がらなければならない。癌との闘いに勝利しなければならない。
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